まいたけさんの忘備録

ゲームのこととか日常で感じたこととかをつらつら書いていきます。

ダークノビツキー引退

どーもまいたけです( ̄^ ̄)ゞ

 

………………うん。いや、いずれそのときが来るのは分かってたんですけどね。でもさ、ルカが入団して、ポルジンギスが加わって、欧州出身の大先輩としてもう1年くらいは現役続けてくれるかなーとか淡い期待を抱いていたわけですよ。まだまだロールプレイヤーとしてそのシュート力でチームに貢献することはできると思うわけですよ。え?なんの話かって?

 

ノビツキーが引退しちゃうんだよこんちくしょう!!

 

いやまあ年齢的にただでさえハードなNBAのゲームに長距離移動とかも加わってキツイのは分かってるけどさ。ファンとしては寂しいわけですよ。

とはいえ本当に素晴らしいキャリアだよね。スター選手が優勝を求めてより勝てる環境を求めて移籍するというのが当たり前になっている昨今のNBAにあって、ノビツキーのキャリアを振り返ったとき、その眩さが一層際立つんじゃないでしょうか。

 

98年にドラフト9位でマーベリックスに入団して以来21年間マーベリックスのユニフォームだけを着続けたそのキャリアは、現代のNBAにおいてはかなり稀有なキャリアと言えるかもしれませんね。

 

昨年引退したコービーブライアントやティムダンカンもずっと一度も移籍することなく引退しましたが、彼らとノビツキーとでは決定的に違うことがあります。

コービーはキャリア4年目となる2000年に、ダンカンはなんとキャリア2年目となる1999年に優勝しています。

そう、彼らはともにキャリアの早い段階で初優勝を経験しているのです。

一方でノビツキーはどうでしょう?

98年にマーベリックスに入団し、2011年に優勝と、初優勝までに実に13年という時間を必要としています。

 

2006年に初のNBAファイナルの舞台に立ったノビツキーは、しかしそのとき2連勝からまさかの4連敗で優勝を逃しました。

翌年リベンジを胸に近いリーグ1位の勝率で挑んだプレイオフでは、優勝候補の筆頭といわれながらまさかのアップセットをくらい、一回戦で姿を消してしまいます。

 

「このチームでは優勝できない」

 

そんなふうに考えたこともあるんじゃないかなあ。

 

当時ノビツキーは28歳。アスリートとしてはちょうど油の乗り切っている時期で、多分どのスポーツもこのくらいの頃が全盛期なんだと思う。レブロンジェームスがマイアミに移籍したのが26歳、ケビンデュラントがウォーリアーズに移籍したのが28歳。多分優勝に手が届かないスーパースターはちょうどそれくらいの頃に移籍が頭にチラつくんじゃないだろうか。

 

でもノビツキーは移籍しなかった。

 

その後も紆余曲折あって、優勝どころかファイナルの舞台にさえ復帰できないでいたノビツキー

それだけに2011年に優勝したときは本当に感動した。なにが感動したってそのドラマ性ですよ。まさに2011年のNBAレイオフはそう、

 

伝説のプレイオフ

 

なわけです。

なにがどう伝説かって?

はい説明します。

 

まずシーズンはウエスタンカンファレンス3位で終えます。東西上位8チームずつの計16チームがプレイオフに進むわけですが、1〜4位はそれぞれ8〜5位と対戦します。順位が高いほど順位が低いとこと一回戦を戦うことになるわけだ。マーベリックスは3位だから6位のチームと対戦。

このとき東西で最もアップセットされる可能性が高いといわれていたチームがマーベリックスでした。アップセットっていうのは上位のチームが下位のチームに負けることをいいます。

実際一回戦のトレイルブレイザーズ戦で20点近い点差をひっくり返されたときには誰もが

 

「ああ、やっぱりな」

 

と思ったに違いありません。

ところがこの敗戦から立ち直り、一回戦を突破し、続く二回戦では三連覇を目指す王者レイカーズを4連勝のスイープで降し、カンファレンスファイナルではデュラント、ウェストブルック、ハーデン、イバカという若く勢いのある選手をそろえたサンダーを4勝1敗で退け2006年以来のNBAファイナルにたどり着いたんです。

 

ファイナルの相手はレブロン、ウェイド、ボッシュという同期のスーパースター3人組を要するマイアミヒート。

 

レブロンボッシュは優勝するためにウェイドのいるマイアミヒートにFA移籍で集結し、最低でも優勝しなければ失敗とまでいわれていたこの3人、移籍する前はそれぞれの所属していたチームでエースでした。

アスリートとして油の乗り切ったこの3人をメディアは「スリーキングス」と形容します。

 

ちなみに当時も今も3人のスター選手が集まることを「ビッグスリー」という風に形容します。それを考えると「スリーキングス」という形容詞がいかに凄まじいものか理解してもらえるんじゃないかと思います。

 

戦前は不利といわれていたマーベリックスノビツキーでしたが、先勝されながらも1勝2敗から3連勝して悲願の初優勝を遂げます。

そう、2011年のプレイオフマーベリックスはアップセットを予想されていたなかで、難敵を撃破し、前年王者を破り、日の出の勢いの若獅子たちを退け、優勝するためだけに集まった3人の王たちを降して優勝を手にしたんです!なんというドラマ!

 

このプレイオフシリーズにおけるノビツキーのプレイぶりは鬼気迫るものがありました。少なくともこのプレイオフ中のノビツキーは歴史上比類ない最高のパワーフォワードだったといえると思います。

 

その後のマーベリックスは凋落の一途を辿り、ファイナルは愚か、近年はプレイオフにすら出れていないけど、それでもノビツキーマーベリックス一筋を貫いて、ついに今年ユニフォームを脱ぐ決意をしました。

はじめてノビツキーのプレイを見た感想は

「ユニークな選手がいるなあ」

という程度のものでした。

当時のNBAでは213cmもの長身でガードのようにスリーポイントを打つ選手は皆無と言ってもいいくらい珍しい存在で、それだけになにやら目を引かれたのかもしれません。

とはいえスターになるかもしれないとは思ったけどまさかスーパースターどころかレジェンドになるとは想像だにしませんでしたね。

 

コービーが引退し、ダンカンが引退し、そしてノビツキーが引退する。

またひとつ時代が終わるんだなあε-(´∀`; )

 

それにしてもノビツキーが引退する年にドンチッチが入団したのはなにやら運命めいたものを感じますね。

 

マーベリックスの伝説はノビツキーからドンチッチへ。

 

ダークノビツキー、ありがとう。

そしてお疲れ様でした!